身体障害

先天的あるいは後天的な理由で、視覚・聴覚・肢体などの身体機能に障害がある状態。

肢体不自由、脳性麻痺などの種類がある。

視覚障害、聴覚または平衡機能の障害、音声機能、言語機能または咀嚼機能の障害、肢体不自由(上肢・下肢・体幹)、心臓・腎臓・呼吸器・膀胱・直腸・小腸・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能、もしくは肝臓の機能障害なども広義の身体障害に含まれる。 

 

分類・特徴

大きく ①神経・運動障害 ②感覚障害 ③音声言語障害 に大別される。

 

①神経・運動障害の原因には、脳性麻痺、重症心身障害、二分脊椎、筋ジストロフィー、脊椎損傷、関節リウマチ、パーキンソン病、脳血管障害、脊椎小脳変性症、筋委縮性脊索硬化症、てんかん等が含まれる。

運動障害によりADLおよびIADLに様々な制約が生じ、原因となっている疾患や障害によりその他の身体障害、知的能力障害などの様々な障害を伴うことがある。

 

②視覚障害・聴覚障害・平衡障害・味覚障害を伴う感覚障害では、生命の危険にさらされたり、ADL・QOLに大きな影響を及ぼすことがある。

 

③音声言語障害では、構音機能機能の障害により正しい発音が困難となる場合がある。

 

 

歯科治療上の対応

 当科では身体障害の病態や程度に応じて一人一人に最適な治療環境を提案し、治療計画を立てている。

 例えば、脳性麻痺患者に対しては、運動機能、知的機能を正確に把握し、不安や緊張の軽減、不随意運動のコントロールのため、歯科用クッションの使用や麻痺の程度によっては静脈内鎮静法、全身麻酔法といった薬物的行動調整法も組み合わせながら治療を行い、患者背景を考慮した治療法を行っている。